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当研究班による先行調査の論文が公開されました
Trends in uptake of cancer screening among people with severe mental illness before and after the COVID-19 pandemic in Japan: a repeated cross-sectional study
Yuto Yamada, Masaki Fujiwara, Naoki Nakaya, Koji Otsuki, Taichi Shimazu, Maiko Fujimori, Shiro Hinotsu, Kiwamu Nagoshi, Yosuke Uchitomi, Masatoshi Inagaki
Psychiatry Clin. Neurosci. Rep. 2025;4:e70062
DOI: https://doi.org/10.1002/pcn5.70062
(オープンアクセスですので、フリーで論文pdfがダウンロードできます)
本研究では、岡山市の協力を得て、市の保健福祉データを用いてCOVID-19の流行前後を含む2018年度から2022年度までの精神障害を有する方の住民がん検診受診率の動向を調査しました。結果として重度の精神障害を有する方は、2022年度においても受診率がCOVID-19流行前である2019年度の水準にまで回復しておらず、依然として極めて低い水準であることが示されました(2022年度の住民がん検診受診率:大腸がん 9.9%、肺がん 12.9%、胃がん 5.3%、乳がん 8.0%、子宮頸がん6.9%)。一方で、国民生活基礎調査に基づく一般住民のがん検診受診率(職域・任意検診を含む)は、2022年度において2019年度の受診率を上回る結果となっています。COVID-19の流行下で精神障害者のがん検診受診率の格差がさらに拡大した可能性が示唆されました。 精神障害者のがん検診受診率の動向を全国的に調査する方法の確立と、格差を是正する介入の開発が急務です。