ご挨拶
研究班 代表ご挨拶
研究代表者をつとめております稲垣と申します。令和5年からの本研究班「精神障害のある方に対するがん検診及びがん診療のアクセシビリティの向上に資する研究」は、平成30年度の研究班の成果を踏まえて、精神障害者のがん診療格差をなくし、精神障害を患っていても高度でかつ安全・安心ながん医療を受けることができることを目指したものです。
これまでに、皆様の協力をいただき以下のことを達成してきました。
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1)精神障害者のがん検診受診率の向上を目指して
- 1-1)精神障害者のがん検診受診率が低いことを明らかとしました(患者調査、全国の統計データ調査)
- 1-2)その低いがん検診受診率を、精神科外来で簡易な受診勧奨マニュアル用いることで向上させることができました(無作為化比較試験)
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2)がんと診断された後に高度で安全・安心な医療を受けるために克服すべき課題として
- 2-1)患者個人から、医療従事者個人、医療制度にわたり課題を明らかとしました
- 2-2)そのうえで、それらの課題に対する解決方法を提案しました
上記の成果を踏まえ、本研究班では以下の次のステップに進みます。
- 1-3)簡易なマニュアルを用いる受診勧奨法の実装研究に着手し、全国への普及を目指します
- 2-3)安全・安心ながん診療を精神障害者に届けるための多職種協働プログラムを開発し、その実装を目指します
精神障害を患う人々でも、公平に必要な治療や支援が受けられることを目的としています。それぞれが異なる高度な診療を行う複数の診療科や、病院だけではなく地域の様々な人々や行政のサービスが、その必要性を認識し、さらに、その問題に対して適切に対処するための方法が提示されることが重要と考えています。
皆様のご理解と協力が得られるよう、更に研究を進めていまいります。何卒よろしくお願いいたします。